相続放棄の手続きガイド
相続放棄とは
相続放棄とは、被相続人が残した財産や負債を一切相続しないと宣言することです。これにより、相続人としての資格を失い、最初から相続人ではなかったとみなされます。一般的に、相続財産が負債ばかりの場合に選択されることが多いです。
相続放棄のメリット・デメリット
メリット
- 負債を引き継がない: 借金などの負債を相続する心配がなくなります。
- 相続人間のトラブルを回避: 財産分配に関する争いを避けられます。
デメリット
- プラスの財産も相続できない: 有価証券や現金などのプラスの財産も放棄しなければなりません。
- 手続きに時間がかかる: 家庭裁判所への申し立てや書類準備が必要です。
相続放棄の手順
ステップ1: 財産調査
相続放棄を決める前に、被相続人の財産をすべて把握しましょう。これには現金、預貯金、不動産、有価証券、骨とう品などが含まれます。
ステップ2: 必要書類の準備
以下の書類を揃える必要があります。
- 相続放棄申述書
- 被相続人の住民票除票または戸籍附票
- 相続放棄する人の戸籍謄本
ステップ3: 家庭裁判所への申し立て
被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、相続放棄申述書と必要書類を提出します。
ステップ4: 照会書への回答
申し立て後、家庭裁判所から送られてくる照会書に回答します。これに適切に対応しないと、相続放棄が認められないことがあります。
ステップ5: 相続放棄申述受理通知書の受領
相続放棄が正式に認められると、家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が届きます。これは、債権者に対して相続放棄を証明するために必要な書類です。
注意点
- 期限厳守: 相続放棄の期限は「相続があったことを知った日から3か月」以内です。この期間を過ぎると相続放棄はできません。
- 財産の使用・処分禁止: 相続財産を勝手に使用・処分すると、相続放棄が認められないことがあります。
- 撤回不可: 相続放棄を一度行うと、後から撤回することはできません。
専門家に依頼すべき場合
以下のような場合は、専門家に依頼することをおすすめします。
- 相続開始後3か月が経過している
- 財産関係が複雑である
- 海外に居住している
- 手続きに時間が取れない
専門家の役割
専門家に依頼すると、手続きがスムーズに進みます。費用はかかりますが、確実に相続放棄ができ、手間も省けます。特に、不動産が関係する場合や手続きが複雑な場合には、専門家のサポートが非常に有効です。