コラム

農地を利用した太陽光発電の魅力と手続きのポイント

農地を利用した太陽光発電の魅力と手続きのポイント

農地での太陽光発電のメリット

農地で太陽光発電を行うことには、多くのメリットがあります。まず、耕作放棄地を活用することができる点です。農地が管理しづらい遠方にあったり広大であったりする場合、太陽光発電は放棄地の有効活用に役立ちます。また、傾斜地の農地でも設置可能なため、利用価値が高まります。さらに、営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)によって、農業収益と売電収益の両方を得ることができます。

農地転用とは?

農地で太陽光発電を行うには「農地転用」が必要です。農地転用とは、農地を農地以外の用途に変える手続きのことを指します。日本の法律では、農地の保全と食料生産の安定を目的に農地法が定められており、農地を農地以外の用途に勝手に使用することは禁じられています。太陽光発電を行う場合も、雑種地へ転用する許可が必要です。

農地転用手続きの流れ

農地転用の手続きは、市町村の農業委員会が窓口となります。必要書類を提出し、審査を経て許可が下りるまでに3ヶ月程度かかることがあります。生産緑地の場合は、指定解除が必要です。手続きが複雑なため、行政書士などの専門家に依頼することが一般的です。

太陽光発電に適した農地の条件

農地転用を始める前に、以下のポイントを確認しましょう。

  • 農業振興地域かどうか:農業振興地域内の農地は転用が制限されることがあります。
  • 農地の種類:農地にはいくつかの種類があり、転用可能かどうかは種類によります。
  • 管理団体の同意:ため池や水路、里道の管理団体から同意を得る必要があります。
  • 設備の有無:電柱やため池などの設備が近隣にあるか確認しましょう。
  • 太陽の光:日照時間や天候、農地の向きなども重要です。
  • 農地の面積:太陽光発電に適した面積が確保できるかどうかも確認が必要です。

太陽光発電設置時の注意点

太陽光発電を設置する際の注意点は以下の通りです。

  • 固定資産税の増加:農地から雑種地に地目変更を行うため、固定資産税が上がる可能性があります。
  • 管理の手間:パネルの清掃や雑草刈りなどのメンテナンスが必要です。
  • 廃棄処分費用:太陽光パネルの耐用年数は約20年で、廃棄処分費用が発生します。
  • 自然災害リスク:自然災害によるパネルの崩壊リスクがあります。
  • 売電価格の変動:売電価格はFIT制度によって決まるため、価格変動のリスクがあります。

農地転用しない場合のリスク

農地を放置すると、耕作放棄地になり、固定資産税が上がる可能性があります。また、農地放置による近隣農家からの苦情リスクも考慮する必要があります。

農地に戻すのが難しい理由

一度農地から雑種地に転用した場合、再び農地に戻すのは難しいです。土壌の養分が失われ、農地として再利用するには手間と費用がかかるためです。

太陽光発電のための必要な設備

太陽光発電を行う際には、以下の設備が必要です。

  • 電柱:一般的に農地から50m以内に設置されているのが理想です。
  • ため池:雨水排水を貯めておくための設備が必要になることがあります。
  • 里道・水路:払い下げが必要な場合があります。

太陽光発電の売電価格

2024年度の売電価格は以下の通りです。

  • 10kw未満(住宅用太陽光発電):16円/kWh
  • 10kw以上50kw未満:10円/kWh
  • 50kw以上:9.2円/kWh

専門家の力を借りることが大切

農地転用や太陽光発電の設置は専門的な知識が必要です。手続きや設備の設置をスムーズに進めるためには、行政書士や専門業者に相談することをおすすめします。

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