不動産売却全般の注意点
スケジュールに十分な余裕を持つ
不動産の売却には、スケジュールに十分な余裕を持つことが大切です。売却完了までにおおよそ6か月を要することがあります。特に販売開始から売買契約の締結までに3か月以上かかることが多く、場合によっては半年以上かかることもあります。余裕のないスケジュールは、売却価格を不利にする「売り急ぎ」を招く可能性があるため、しっかりと余裕を持ちましょう。
複数の不動産会社に査定を依頼する
不動産の売却価格は不動産会社によって異なります。そのため、複数の不動産会社に査定を依頼し、最も高い価格を提示してくれる会社を選ぶことが重要です。異なる不動産会社の意見を聞くことで、適正な価格で売却する手助けとなります。
安易に専任媒介契約を選択しない
専任媒介契約や専属専任媒介契約は、1社の不動産会社にのみ仲介を依頼する契約形式ですが、囲い込みのリスクがあります。囲い込みとは、不動産会社が自社で買い手を見つけようとし、他社からの買い手を断ることです。これを避けるためには、複数の不動産会社に仲介を依頼できる一般媒介契約を検討するのが得策です。
欠陥は正直に告知する
不動産売却において、物件の欠陥を正直に告知することが重要です。売主は契約不適合責任を負うため、契約内容と異なる点がある場合は売買契約書に明記し、買主に了承を得ることが必要です。これにより、売却後のトラブルを未然に防ぐことができます。
住宅ローンの仮審査に通っている人と契約する
買主の住宅ローンの本審査が通らない場合、売買契約が解除されるリスクがあります。このリスクを抑えるためには、仮審査に通った買主と契約することが適切な対策です。仮審査に通過した人は、本審査にも通過する可能性が高いとされています。
ケース別の注意点
相続時の売却の注意点
相続物件を売却する際の注意点として、売却前に名義変更を行うことが挙げられます。購入希望者に対して誰が売主であるかを明確にするためです。また、相続税の納税期限を意識し、早めに売却を開始することが望ましいです。相続税の納税期限は、相続開始を知った翌日から10か月以内であるため、遅くとも4か月以内に売却をスタートすることが推奨されます。
離婚時の売却の注意点
離婚に伴う不動産売却では、財産分与を目的とする場合は離婚後に売却することが重要です。離婚前に売却してしまうと、贈与税が発生する可能性があります。離婚後に売却することで、贈与税を回避し、適切な財産分与を行うことができます。
個人売買の売却の注意点
個人売買では、取引をよく知る人物に限定することがポイントです。不動産会社が仲介する場合と異なり、契約不適合責任を負うリスクが高いため、物件をよく知る人や、責任追及の可能性が低い人に限定して売却することが重要です。
まとめ
不動産の売却は多くの注意点を意識することで、失敗を避けることができます。スケジュールに余裕を持ち、適切な不動産会社を選び、契約内容をしっかりと把握することで、円滑な不動産売却を実現しましょう。