コラム

自己破産による家族への影響

自己破産による家族への影響

自己破産をすると、状況によっては家族に以下のような影響が及ぶ可能性があります。

家や車がなくなる可能性

破産する方の名義の家や車など、20万円以上の高価な財産は処分の対象となる可能性があります。また、家族名義の財産であっても、購入資金が破産する方の収入や借金から工面されたものであれば、実質的に破産する方の財産とみなされることがあります。

家族が保証人の場合は借金を肩代わりする

自己破産をすると、破産する方の抱えている借金を保証人が肩代わりすることになります。特に家族が連帯保証人になっている場合、一括で支払わなければならないため、事前にきちんと話し合うことが重要です。

家族カードが使えなくなる

自己破産を行うと、本会員となっているクレジットカードは解約されます。その結果、家族カードも解約となり、使用できなくなります。ただし、家族が契約しているカードはそのまま使用可能です。

保険が解約となる可能性

解約返戻金の金額によっては、裁判所(破産管財人)によって保険が解約されることがあります。破産する方が加入している保険や、破産する方が保険料を支払っている保険も解約される可能性があります。

子ども名義の預貯金が処分される可能性

破産する方が「子どもの将来のために」と自身の収入から預金しているお金は、子ども名義の銀行口座に入っていたとしても、実質的に破産する方の財産とみなされることがあります。

自己破産しても家族に影響しないこと

自己破産によって家族に影響を与えないこともあります。それらについて詳しく見ていきましょう。

家具や家電などは処分されない

ベッドやタンス、冷蔵庫、洗濯機、テレビなどは、自己破産をしても基本的に処分されません。法律によって「生活に必要不可欠な財産は処分されない」と定められているためです。ただし、あまりにも高価な品物(20万円以上の価値があるアンティーク家具など)は処分される可能性があります。

現在の仕事や、今後の就職・転職に影響はない

自己破産したからといって、家族の仕事には影響がありません。配偶者が転職を考えている場合や、子どもが就職する場合でも同様です。

子どもの結婚に影響はない

自己破産をしたことは官報に載りますが、家族の情報は掲載されません。戸籍や住民票にも記載されることはないため、相手の家族に知られることはほぼないと言えるでしょう。

信用情報に悪影響はない

破産する方本人の信用情報には事故情報が登録されますが、家族の信用情報には何も登録されません。家族が新しくカードを作ったりローンを組んだりすることは基本的に可能です。

家計を別にしている家族に影響はない

別居中の家族など、家計が別になっている家族には基本的に影響しません。裁判所から何か書類が送られてくることもありません。ただし、借金の保証人になっている場合は、注意が必要です。

家族にバレずに自己破産することはできる?

結論から言って、家族に知られずに自己破産をするのは難しいです。自己破産によって車が処分されたり、裁判所に提出する書類作成を手伝ってもらったりすれば、家族が何も気づかないということはないでしょう。無理に隠し通そうとすると、余計なトラブルに発展する可能性もあります。自己破産をする場合には、前もって家族としっかり話し合い、理解を得ることが重要です。

自己破産をするとき家族に迷惑をかけないためにできること

自己破産をすることで家族に影響を及ぼさないようにするために、いくつかの対策を講じることができます。

財産を隠さない

自己破産の手続きでは、所有している財産をすべて申告する必要があります。高価な財産を一時的に家族や知人に預けたり、名義を変更したりすることは「財産を隠した」とみなされ、免責が認められない可能性があります。

偏頗弁済をしない

特定の債権者にだけ返済する偏頗弁済を行うことは、自己破産の手続きでは禁じられています。家族や友人からの借金のみを返済しないように注意しましょう。免責を認めてもらった後に少しずつ返済する方法もあります。

「迷惑をかけるから」という理由で離婚しない

自己破産をする前に離婚し、必要以上に配偶者に財産を渡した場合、「財産を隠した」とみなされる可能性があります。また、離婚しても保証人の立場は変わらないため注意が必要です。

自己破産以外の債務整理を検討する

自己破産以外にも、任意整理や個人再生といった債務整理の方法があります。家族が保証人になっている借金を手続きの対象から外すことで、家族への影響を減らすことができる場合があります。

自己破産の家族への影響に関するよくある質問

自己破産すると子どもの進学に影響しますか?

自己破産をしても、お子さまの進学に直接影響はありません。ただし、保証人になることはできなくなりますので、配偶者や祖父母が保証人になるか、保証人不要の制度を利用することを検討しましょう。

自己破産したことを近所の人に知られることはありますか?

自己破産したことが近所の人に知られる可能性は低いです。官報に掲載される情報を一般の人が見ることはほとんどありません。

家族が自己破産の手続きに同席する必要はありますか?

手続きのために裁判所へ行くのは自己破産をする本人のみです。家族が同席する必要はありません。

家族にできるだけ迷惑をかけず自己破産するためにも、司法書士に相談を

自己破産をすると家族に影響が出ることがありますが、必要以上に恐れて踏み出さないままでは状況が悪化し、家族に余計な負担をかけてしまうかもしれません。早めに弁護士に相談し、適切な手続きを進めることが重要です。

このように、自己破産を検討する際には家族への影響を考慮し、専門家のアドバイスを受けながら適切な方法を選ぶことが重要です。弁護士に相談することで、自己破産以外の方法も含めた最適な債務整理の方法を提案してもらえる可能性があります。ウィルパートナー司法書士事務所では、自己破産や借金のお悩みに関する相談を無料で承っているので、まずは一度相談してみることをお勧めします。

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