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この記事は一般的な解説です。令和8年10月時点の法令・運用に基づいており、個別の事情により結論が変わることがあります。なお、この記事に登場する「Bさん」は、相続放棄の流れを分かりやすく説明するための想定上の人物であり、実在の依頼者の事例ではありません。
結論:相続放棄は、自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、亡くなった方の最後の住所地の家庭裁判所に申述する必要があります。期限内に財産の調査が終わらないときは、期間の伸長を申し立てられることがあります。申述が受理されると、初めから相続人でなかったものとみなされます。
想定ケース:親に借金があるとわかったBさん
Bさん(想定)は、亡くなった親に借金があることがわかりました。親の財産を相続すると借金も引き継ぐため、相続放棄を検討していますが、手続や期限が分からず悩んでいる、という状況を例にします。
相続放棄の流れ
- 財産と負債を調べる預貯金・不動産・借金などを確認する
- 放棄するか決める相続の開始を知った時から3か月の期限を意識して判断
- 書類を準備する申述書と戸籍謄本などを用意する
- 家庭裁判所に申述する被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に提出
- 照会書に回答する裁判所から届く照会書(質問書)に回答して返送
- 受理通知書を受け取る放棄が認められると届く。必要に応じ受理証明書を申請
- 財産と負債を調べる:預貯金・不動産・借金などを確認します。借金は、信用情報機関への開示請求や、届いた請求書などで調べます。
- 放棄するか決める:3か月の期限を意識して判断します。
- 書類を準備する:申述書と戸籍謄本などを用意します。
- 家庭裁判所に申述する:被相続人の最後の住所地の家庭裁判所に提出します(郵送も可能とされています)。
- 照会書に回答する:裁判所から届く照会書(質問書)に回答して返送します。
- 受理通知書を受け取る:放棄が認められると、受理通知書が届きます。必要に応じて、受理証明書の交付を申請します。
費用と必要書類(裁判所の案内による)
- 費用:収入印紙800円分(申述人1人につき)と、連絡用の郵便切手(金額は裁判所ごとに異なります)。
- 共通の書類:相続放棄申述書、被相続人の住民票除票または戸籍附票、申述人の戸籍謄本。
- 続柄によって追加する書類:子や配偶者は被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本、親や兄弟姉妹などは被相続人の出生から死亡までの戸籍など。先順位の相続人が同じ書類を提出済みであれば不要になることがあります。
必要書類は、申述先の家庭裁判所のホームページや窓口で最新の案内を確認してください。
相続放棄の注意点
- 3か月の期限:相続の開始を知った時から3か月以内です(民法915条1項)。期限内に判断できないときは、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てます。
- 単純承認とみなされる行為:財産を処分したり、使ったりすると、相続を承認したものとみなされ、放棄できなくなるおそれがあります(民法921条)。預貯金の解約や、不動産・車の売却は特に注意が必要です。
- 撤回できない:受理された後は、原則として撤回できません(民法919条1項)。
- 次の順位の人に相続が移る:放棄すると、次順位の相続人(例えば、子が放棄すれば親や兄弟姉妹)に相続権が移ります。放棄をしたら、関係する親族へ伝えておくとトラブルを防げます。
- 管理の責任が残る場合:放棄をした時に、その財産を現に占有していると、次の管理者に引き渡すまで保存義務が残ることがあります(民法940条)。
よくある質問
Q1 生命保険金は放棄してももらえますか。
受取人が指定されている死亡保険金は、一般に受取人固有の財産とされ、相続放棄をしても受け取れるとされています。ただし、契約内容によって扱いが異なることがあるため、保険会社に確認してください。
Q2 未成年の子の放棄はどうなりますか。
未成年者は法定代理人(親権者)が代理して申述します。親権者と子がともに相続人で、親だけが放棄しない場合などには、特別代理人の選任が必要になることがあります。
Q3 司法書士には何を相談できますか。
家庭裁判所に提出する相続放棄申述書や戸籍などの書類の作成について、司法書士に相談できます。債権者との交渉や、金額が大きい紛争は、弁護士に相談するのが適切です。
まとめ
相続放棄は、3か月の期限、単純承認とみなされる行為、次順位の相続人への影響の3点がポイントです。借金の有無が分からない場合も、早めに調査を始め、判断が難しければ専門家に相談しましょう。
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この記事の監修者
司法書士 川西 祐輔(ウィルパートナー司法書士事務所 代表)
大阪司法書士会所属(登録番号 大阪第4855号)/簡裁訴訟代理等関係業務認定/公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート会員。相続登記・遺言・相続放棄・成年後見・債務整理・不動産登記・商業登記を取り扱っています。