※ この記事は、土地の地目(不動産登記規則99条)と地目変更登記に関する一般的な解説です。この記事は令和8年10月時点の法令・制度に基づいています。個別の事情により結論が異なることがありますので、具体的な判断は専門家にご相談ください。
登記簿(登記事項証明書)の表題部には、土地の「地目」が記載されています。相続した土地の地目が「田」や「山林」だったり、実際は駐車場なのに「宅地」のままだったりすることは珍しくありません。この記事では、地目の種類と調べ方、現況と違うときの手続きを解説します。
1 結論:地目は登記簿の表題部で確認でき、23種類に区分されています
不動産登記規則99条は、地目を土地の主な用途により、田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園、雑種地の23種類に区分しています。
地目が変わったとき(たとえば畑を宅地にしたとき)は、所有者は変更の日から1か月以内に地目変更の登記を申請しなければなりません(不動産登記法37条1項)。
2 登記簿での調べ方
登記事項証明書は「表題部」「権利部(甲区)」「権利部(乙区)」に分かれています。地目は表題部の「地目」欄に記載され、地番・地積(面積)もここで確認できます。甲区には所有権に関する事項、乙区には抵当権など所有権以外の権利が記載されます(相続登記の流れと必要書類)。
なお、固定資産税の課税上の地目(課税地目)は、市区町村が現況により認定するため、登記簿の地目と一致しないことがあります。固定資産税の評価証明書や名寄帳と見比べると、違いに気づくことがあります。
3 宅地と雑種地の違い
宅地は、建物の敷地とその維持・効用を果たすために必要な土地です。住宅・店舗・工場などの敷地が典型です。
雑種地は、ほかの22種類のいずれにも当たらない土地です。建物のない駐車場や資材置場などが雑種地として扱われることがあります。どの地目に当たるかは、土地の現況と利用目的によって登記官が認定するため、個別の土地について断定はできません。
4 宅地建物取引業法の「宅地」とは別の概念
宅地建物取引業法2条1号の「宅地」は、建物の敷地に供される土地のほか、用途地域内の土地(道路・公園・河川などを除く)を含みます。登記簿の地目が「畑」でも、宅建業法上は宅地として扱われる場合があるなど、法律によって「宅地」の意味が異なります。
5 地目が「田」「畑」の土地は農地法に注意
登記簿の地目が田・畑であるかどうかにかかわらず、現況が農地であれば、売買や転用には農地法の許可または届出が必要になるのが原則です。相続で取得する場合は許可は不要ですが、農業委員会への届出が必要です(農地を相続したときの届出)。山林の場合も、市町村への届出が必要になることがあります(山林を相続したら)。
6 地目変更登記は誰がする?
地目変更登記は、不動産の表示に関する登記です。申請は所有者本人のほか、代理人としては土地家屋調査士が担当する分野です。司法書士が扱うのは、所有権移転(相続登記)などの権利に関する登記です。相続した土地の地目が現況と違う場合は、相続登記とは別に、地目変更登記が必要かどうかを確認します。
申請義務がある人が正当な理由なく申請を怠った場合は、10万円以下の過料の対象になると定められています(不動産登記法164条)。
7 よくある質問
Q. 相続登記をするときに地目を直す必要はありますか?
A. 相続登記は登記簿の地目のままで申請できます。ただし、現況と違う場合は地目変更登記の申請義務の問題があり、売却の際に買主や金融機関から求められることもあります。
Q. 地目によって相続登記の登録免許税は変わりますか?
A. 相続登記の登録免許税は、地目ではなく固定資産税評価額を基に計算します。公衆用道路など評価額のない土地は、近傍の土地の価格を基に計算する扱いがあります(相続登記の登録免許税)。
8 まとめ・ご相談の目安
地目は登記簿の表題部で確認でき、23種類に区分されています。相続した土地の地目が現況と違う、田畑や山林が含まれているといった場合は、相続登記と並行して、地目変更登記や農地法・森林法の手続きが必要かを確認しておくと、売却や活用の際に慌てずに済みます。
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