※ この記事は、相続登記の登録免許税に関する一般的な解説です。この記事は令和8年9月時点の法令・制度に基づいています。免税措置は期限付きの制度のため、申請時点の制度を必ずご確認ください。
1 結論:相続登記の登録免許税は「不動産の価額×1,000分の4」。一定の土地は令和9年3月31日まで免税になります
相続による所有権移転登記の登録免許税は、原則として不動産の価額(課税標準)の1,000分の4です(登録免許税法別表第一)。不動産の価額は、原則として市区町村の固定資産課税台帳に登録された価格(固定資産税評価額)を用います。
また、租税特別措置法により、令和9年(2027年)3月31日まで、次の2つの免税措置が設けられています。
- 相続により土地を取得した人が、相続登記をしないまま亡くなった場合の、その人を登記名義人とする相続登記
- 不動産の価額が100万円以下の土地の相続登記
2 登録免許税の計算方法
2-1 基本の計算
- 課税標準(不動産の価額)を確認する:固定資産評価証明書などで確認します。
- 課税標準の1,000円未満を切り捨てる
- 1,000分の4を掛ける
- 税額の100円未満を切り捨てる
計算例(仮の数値):土地の価額1,234,567円、建物の価額2,345,678円の場合、同一の申請書で申請する場合は、合計額3,580,245円の1,000円未満を切り捨てた3,580,000円が課税標準となり、税額は3,580,000円×4/1,000=14,320円 → 100円未満切捨てで14,300円となります。
2-2 持分を取得する場合
共有持分を相続する場合は、不動産全体の価額に持分の割合を掛けた額が課税標準になります。
2-3 評価額がない不動産
固定資産課税台帳に価格が登録されていない不動産(公衆用道路などで非課税のもの等)は、登記官が認定した価額によることになります。近隣の土地の価格を基に計算するなど、取扱いは法務局に確認して進めます。
3 免税措置その1:相続人が登記をしないまま亡くなった場合
例えば、祖父名義の土地を父が相続したものの、父名義への相続登記をしないうちに父が亡くなった場合、祖父から父への相続登記について登録免許税が免除されます(数次相続の中間の登記)。
対象は土地に限られ、建物は含まれません。適用期間は平成30年4月1日から令和9年3月31日までです。
4 免税措置その2:価額100万円以下の土地
相続による土地の所有権移転登記について、不動産の価額が100万円以下の土地であれば、登録免許税が免除されます。以前は市街化区域外などの要件がありましたが、現在の措置では土地の所在地に関する要件は設けられていません。
- 対象は土地のみで、建物は対象外です。
- 持分を取得する場合は、土地全体の価額に持分の割合を掛けた額で判断します。
- 複数の土地を申請する場合、免税の対象となる土地と対象とならない土地が混在することがあります。
- 表題部所有者の相続人が受ける所有権保存登記も対象です(令和3年4月1日から)。
5 免税措置を受けるための手続
免税措置は、申請書に免税の根拠となる法令の条項を記載しなければ適用されません。記載がないと、原則どおり課税されてしまうことがあります。記載方法は法務局の案内に例が示されていますので、申請前に確認しましょう。
6 その他の費用も含めた目安
相続登記には、登録免許税のほか、戸籍謄本等や住民票、固定資産評価証明書、登記事項証明書の取得費用がかかります。専門家に依頼する場合は、その報酬も必要です。なお、相続人申告登記は登録免許税がかからない手続ですが、相続登記とは効果が異なります。
7 司法書士の役割
司法書士は、評価証明書による課税標準の確認、登録免許税の計算、免税措置の適用可否の確認を含めて、相続登記の申請についてご相談・ご依頼をお受けできます。
8 よくある質問
Q. 相続人以外が遺贈で取得した場合も1,000分の4ですか?
A. 相続人以外に対する遺贈は1,000分の20です。相続人に対する遺贈は、相続人であることを証する書面を添付すれば1,000分の4となります。
Q. 令和9年4月1日以降は免税措置がなくなりますか?
A. 現時点では令和9年3月31日までの措置です。延長されるかどうかは今後の税制改正によりますので、申請時点の制度をご確認ください。対象になりそうな土地がある場合は、期限内に申請することを検討しましょう。
Q. 最低税額はありますか?
A. 計算した税額が1,000円に満たない場合は、1,000円となります(登録免許税法19条)。免税措置の対象となる土地は、この最低税額もかかりません。
9 まとめ・ご相談の目安
相続登記の登録免許税は不動産の価額の1,000分の4が基本で、一定の土地は令和9年3月31日まで免税になります。次のような場合には、ご相談をご検討ください。
- 評価額の低い土地(山林・農地・私道など)を相続した
- 祖父母名義のまま登記されていない土地がある
- 登録免許税を含めた相続登記の費用の目安を知りたい
当事務所では、登録免許税の計算・免税措置の確認を含めた相続登記の申請について、ご相談・ご依頼をお受けしています。

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