※ この記事は、自己破産の一般的な解説です。この記事は令和8年9月時点の法令に基づいています。個別の事情により結論が異なることがありますので、具体的な判断は専門家にご相談ください。
1 結論:自己破産は、裁判所に免責を認めてもらい、原則として借金の支払義務をなくす手続きです
自己破産は、借金を返せない状態(支払不能)になった人が、地方裁判所に申し立てて、財産を清算したうえで、残った借金の支払義務の免除(免責)を認めてもらう手続きです(破産法)。免責が認められると、原則として借金を支払う必要がなくなりますが、税金など免責されない債務もあります。また、手続きの中で家族の生活に関わる点もあるため、事前に全体像を知っておくことが大切です。
2 自己破産の手続きの種類
2-1 同時廃止
処分して債権者に分けるほどの財産がない場合に、破産手続の開始と同時に手続きを終える方法です。その後、免責の審理に進みます。
2-2 管財事件
一定の財産がある場合や、借金の経緯などを調べる必要がある場合に、裁判所が破産管財人を選び、財産の調査・換価・配当を行う方法です。裁判所に納める予納金が同時廃止より高くなります。どちらになるかは、財産や事情に応じて裁判所が判断します。
3 自己破産が認められる条件
3-1 支払不能であること
収入や財産から見て、借金を継続的に返済できない状態にあることが必要です。借金の額だけで一律に決まるものではなく、収入・生活費・財産などを総合して判断されます。
3-2 免責不許可事由
破産法252条1項は、浪費やギャンブルで財産を大きく減らしたこと、財産を隠したこと、債権者名簿に虚偽の記載をしたこと、過去7年以内に免責を受けていること(同項10号)などを、免責を許可しない事由として定めています。ただし、これらに当たる場合でも、裁判所は一切の事情を考慮して免責を許可することができます(裁量免責、同条2項)。
4 免責されない債務(非免責債権)
免責が認められても、次のような債務は支払義務が残ります(破産法253条1項)。
- 税金・社会保険料などの租税等の請求権
- 悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償
- 故意または重大な過失で人の生命・身体を害した不法行為に基づく損害賠償
- 養育費や婚姻費用など、家族の扶養に関する義務に基づく請求権
- 雇用関係に基づく使用人の給料など
- 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権
- 罰金など
5 手元に残せる財産
自己破産をしても、すべての財産を失うわけではありません。破産法34条3項1号により、99万円までの現金は手元に残すことができます(民事執行法131条3号の額(66万円、民事執行法施行令1条)に2分の3を乗じた額)。また、生活に欠かせない家財道具など、差押えが禁止されている財産も処分の対象になりません。それ以外の財産(一定額以上の預貯金、自動車、不動産など)は、処分の対象となることがあります。
6 家族への影響
6-1 家族の財産や借金は、原則として影響を受けません
自己破産は本人の手続きです。家族名義の財産が処分されたり、家族が本人の借金を支払う義務を負ったりすることは、原則としてありません。ただし、本人名義の自宅や自動車に家族が住んだり使ったりしている場合は、処分の対象になることで生活に影響が出ることがあります。
6-2 家族が保証人になっている場合
免責の効果は保証人には及びません(破産法253条2項)。家族が本人の借金の保証人になっている場合は、債権者から家族に請求されることがあるため、手続きの前に確認が必要です。
6-3 官報への掲載
破産手続開始の決定があると、官報に公告されます(破産法32条1項)。官報を日常的に見る人は多くありませんが、掲載自体は避けられません。
7 その他の注意点
- 信用情報機関に事故情報が登録され、一定期間(機関によって異なります)、新たなローンやクレジットカードの利用が難しくなります。
- 破産手続中は、一部の資格や職業(警備員など)に就けない制限があります。免責が確定するなどして復権すると、制限はなくなります。
- リース物件やローンで購入した物の扱いについては、自己破産するとリース契約はどうなる?もご覧ください。
8 司法書士に依頼できること
自己破産は地方裁判所の手続きのため、司法書士は代理人にはなれません。当事務所では、裁判所に提出する申立書などの書類の作成によってサポートします(司法書士法3条1項4号)。自己破産以外の方法(任意整理など)が合うかどうかも含めてご相談いただけます。なお、認定司法書士が代理人として貸金業者と交渉できるのは、個々の債権の額が140万円以下の場合に限られます。
当事務所は法テラス(日本司法支援センター)と契約しており、条件を満たす方は司法書士費用の立替制度を利用できる場合があります(裁判所に納める予納金は、生活保護を受けている方を除き、立替えの対象外です)。
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- 自己破産:報酬 275,000円(税込)
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