コラム

前妻の子と後妻の子がいる相続 異母きょうだいも相続人?進め方と注意点

※ 本文中の事例は、実務で見られる典型的な問題を一般化した仮想の例であり、実在の依頼者・案件ではありません。この記事は令和8年9月時点の法令・制度に基づいています。

1 結論:前妻の子も、後妻の子も、同じ「子」として相続人になります

父に再婚歴があっても、子は、母が誰であっても、被相続人の子として相続人になります。一方、離婚した前妻は、相続人にはなりません。

2 誰が相続人になるか

  • 被相続人の子(前妻の子、後妻の子、いずれも):同順位の相続人
  • 被相続人の配偶者(相続開始時の配偶者):常に相続人
  • 離婚した前妻:相続人ではない

前妻の子は、被相続人とは別の家庭で育っているため、連絡先が分からない、面識がない、というケースがある場合があります。

3 相続分はどうなるか

配偶者と子が相続人の場合、原則として、配偶者が2分の1、子が全体で2分の1(子が複数の場合は均等に分ける)となります(民法900条)。母が異なっても、子どうしの相続分は原則として同じです。

※ 昭和56年1月1日より前に開始した相続では、配偶者の相続分などが現在と異なります。また、嫡出でない子の相続分の扱いも、相続開始の時期によって異なります。

4 疎遠な相続人の連絡先の調べ方

  1. 被相続人の出生から死亡までの戸籍で、前妻の子が記載されているか(子の名前・生年月日)を確認します。
  2. 前妻の子の現在の戸籍を取得し、本籍を確認します。
  3. 戸籍の附票で、現在の住所を調べます。
  4. 住所が分かったら、手紙で連絡します。突然の連絡になるため、丁寧な説明と、相続の背景を伝える文面が大切です。

5 実務上の注意点

  • 戸籍の記載だけでは、前妻の子の存在を見落とすことがあります。被相続人の戸籍が複数に分かれていることが多いため、戸籍を出生から連続して確認することが欠かせません。
  • 前妻の子がすでに亡くなっている場合、その子(孫)が相続に関わります。
  • 相続人同士の話し合いが調わないとき、または協議ができないときは、各相続人が遺産分割を家庭裁判所に請求できます(民法907条2項)。他の相続人との交渉や、争いになった場合の対応は、司法書士が代理して行える範囲が法律で限られており(司法書士法3条)、弁護士への相談が適しています。
  • 行方不明の相続人がいる場合は、家庭裁判所が財産の管理について必要な処分を命じる手続き(不在者の財産の管理。民法25条)が必要になることがあります。この場合も、弁護士への相談が適しています。

6 よくある質問

Q. 父の再婚前の子がいるかどうか、どう調べますか?

A. 被相続人の出生から死亡までの戸籍を取り、子の記載を確認します。

Q. 前妻の子は、後妻の子より相続分が少なくなりますか?

A. 子であれば、母が異なっても、原則として相続分は同じです。

Q. 後妻は、前妻の子に連絡する必要がありますか?

A. 前妻の子が相続人であれば、遺産分割協議に参加してもらう必要があります。戸籍・附票による所在の調査については、司法書士がご相談をお受けしています。一方、他の相続人との交渉や争いへの対応は、司法書士が代理して行える範囲が法律で限られており、弁護士への相談が適しています。

7 まとめ・ご相談の目安

前妻の子も後妻の子も、被相続人の子として相続人になります。次のような場合は、ご相談をご検討ください。

  • 前妻の子の有無や、所在が分からない
  • 相続人どうしが疎遠で、連絡の取り方に迷う
  • 話し合いで意見が分かれそう(この場合は弁護士への相談も検討します)

当事務所では、戸籍・附票による相続人と住所の調査、遺産分割協議書の作成、相続登記の申請について、ご相談・ご依頼をお受けしています。

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