コラム

戸籍の附票が取れない!被相続人の住所が登記簿とつながらないときの相続登記

※ 本文中の事例は、実務で見られる典型的な問題を一般化した仮想の例であり、実在の依頼者・案件ではありません。この記事は令和8年9月時点の法令・制度に基づいています。

1 結論:住所がつながらなくても、直ちにあきらめる必要はありません

相続登記では、登記簿に載っている所有者と、亡くなった方が同一人物であることを示す必要があります。住所がつながらない場合、追加の書類や法務局への事前相談で対応できる場合があります。ただし、個別の事情により対応は異なります。

2 なぜ住所のつながりが必要か

登記簿には、所有者の住所と氏名が記載されています。亡くなった方の最後の住所(住民票の除票や戸籍の附票)が、登記簿の住所と一致していれば、同一人物であることが示せます。法務局のQ&Aでも、登記上の住所から亡くなった時の住所へ住所移転したことが分かる書面として、住民票や戸籍の附票の写しの提出が必要とされています。住所を転々としていると、登記簿の住所から最後の住所まで、移動が連続してつながる書類が必要です。

3 附票・除票の保存期間

住民票の除票・戸籍の附票の除票は、消除または改製した日から150年間保存されます(住民基本台帳法施行令34条)。この保存期間は、令和元年6月20日に5年から150年に延長されたもので、延長前に5年の保存期間が過ぎて廃棄済みのものは、現在も取得できません(自治体によって、取得できる範囲が異なります)。古い相続では、この理由で、除票や附票が取れない場合があります。なお、法務局のガイドブックでは、住民票の除票が廃棄されているなどで取得できない場合は、戸籍の附票を用意するよう案内されています。

4 住所がつながらない場合の考え方

  • まず、取得できる書類を最大限確認します(住民票の除票、戸籍の附票など)。
  • 住民票の除票・戸籍の附票が廃棄済みで取得できない場合について、法務局のQ&Aでは、廃棄処分等により交付できない旨の市町村長の証明書に加えて、登記済証(権利証)の写しを添付する場合などがあるとされています。
  • どのような書類で足りるかは事案ごとに異なるため、申請前に管轄の法務局へ相談します。

5 実務上の注意点

  • 附票を取得できないことが分かった時点で、早めに法務局へ相談することが、手続きの遅れを防ぐポイントです。
  • 本籍地の戸籍に住所の記載がないことが多く、戸籍だけでは最後の住所を確認できません。
  • 相続不動産の売却を予定している場合、住所のつながりの確認に時間がかかると、決済の日程に影響します。
  • 登記簿上の住所が古く、現在の住所と表記の異なる(地番・住居表示の変更等)場合は、別途の確認が必要です。

6 よくある質問

Q. 附票が取れない場合は、相続登記ができませんか?

A. 直ちにできなくなるわけではありません。市町村長の証明書と登記済証の写しの添付などで対応する例が、法務局のQ&Aで示されています。詳しくは管轄の法務局に確認します。

Q. 住民票の除票と戸籍の附票は、どう違いますか?

A. 住民票の除票は、住民登録のあった住所の記録です。戸籍の附票は、戸籍に紐づく住所の記録です。どちらも、住所の履歴を確認する資料として使われます。

Q. 自分で附票を請求できますか?

A. 相続人であれば、請求できる場合があります。請求先や必要書類は、自治体によって異なります。

7 まとめ・ご相談の目安

住所がつながらない場合も、取得できる資料を整理し、必要に応じて法務局に相談しながら進めます。次のような場合は、ご相談ください。

  • 附票・除票が保存期間で取れない
  • 登記簿の住所と最後の住所が複数回の移動でつながらない
  • 売却の日程が決まっている

当事務所では、附票・除票の取得と、法務局への事前相談を踏まえた申請書類の作成について、ご相談・ご依頼をお受けしています。

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