※ この記事は、法定相続情報証明制度に関する一般的な解説です。この記事は令和8年9月時点の法令・制度に基づいています。手続の詳細は、法務局の案内もあわせてご確認ください。
1 結論:戸籍の束を1回提出すれば、相続関係を証明する「一覧図の写し」を無料で受け取れます
相続手続では、銀行、証券会社、法務局(相続登記)など、提出先ごとに被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等の束を求められるのが一般的です。法定相続情報証明制度を利用すると、戸籍の束と「法定相続情報一覧図」を法務局(登記所)に一度提出するだけで、登記官の認証文付きの「法定相続情報一覧図の写し」の交付を無料で受けることができます(不動産登記規則247条)。
各提出先では、この一覧図の写しを戸籍の束の代わりとして使えるため、手続を並行して進めやすくなります。
2 申出の基本
2-1 申出できる人
申出ができるのは、被相続人の相続人(またはその相続人)です。代理人として依頼できるのは、親族のほか、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、行政書士とされています。
2-2 申出先(次のいずれかの登記所)
- 被相続人の本籍地
- 被相続人の最後の住所地
- 申出人の住所地
- 被相続人名義の不動産の所在地
を管轄する登記所から選べます。窓口のほか、郵送での申出・受取りも可能です(郵送で受け取る場合は、返信用封筒と郵便切手を同封します)。
2-3 主な必要書類
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍
- 被相続人の住民票の除票
- 相続人全員の戸籍謄本(抄本)
- 申出人の氏名・住所を確認できる公的書類(運転免許証のコピーなど)
- 法定相続情報一覧図(申出人が作成)と申出書
一覧図に相続人の住所を記載する場合は、相続人の住民票の写しも必要になります。事案によって必要書類が加わることがあるため、事前に法務局の案内で確認しましょう。
3 制度を使うときの注意点
3-1 戸籍の収集そのものは省略できない
この制度は、集めた戸籍を「一覧図の写し」に置き換える仕組みです。最初に出生から死亡までの戸籍をすべて揃える作業は必要であり、戸籍に抜けがあれば申出は受け付けられません。
3-2 「法定相続人」を示すもので、誰が何を相続したかは示さない
一覧図の写しは、戸籍から読み取れる法定相続人を示すものです。相続放棄や遺産分割協議の内容は記載されないため、相続登記などでは、別途、遺産分割協議書や相続放棄申述受理証明書などが必要になります。
3-3 保存期間と再交付
一覧図は、申出の日の翌年から起算して5年間保存されます。その期間内であれば、当初の申出で申出人となった方は、一覧図の写しの再交付を受けられます。
3-4 戸籍は返却される
提出した戸籍謄本等は返却されます(申出人の本人確認書類など、一部返却されない書類があります)。
4 どんな場合に特に便利か
- 預貯金口座が複数の金融機関にあり、手続を同時に進めたい場合
- 相続登記と金融機関の手続を並行して行う場合
- 相続人が多く、戸籍の束が非常に厚くなる場合
一方、提出先が1か所だけの場合には、戸籍の束をそのまま使っても手間が大きく変わらないこともあります。
5 司法書士の役割
司法書士は、戸籍の収集、相続人の確認、法定相続情報一覧図の作成と申出の代理、その後の相続登記の申請まで、まとめてご相談・ご依頼をお受けできます。
6 よくある質問
Q. 一覧図の写しは何通もらえますか?
A. 利用目的に応じて必要な通数を申し出ることができます。後日追加が必要になった場合も、保存期間内であれば再交付を受けられます。
Q. 相続人の中にすでに亡くなった人がいる場合も使えますか?
A. 一覧図は被相続人1人ごとに作成します。数次相続が生じている場合は、それぞれの被相続人について作成を検討することになります。
Q. すべての金融機関で必ず使えますか?
A. 多くの手続で利用されていますが、取扱いは提出先によって異なることがあります。事前に提出先へ確認すると安心です。
7 まとめ・ご相談の目安
法定相続情報証明制度は、戸籍の束を何度も提出する手間を減らせる無料の制度です。次のような場合には、ご相談をご検討ください。
- 戸籍の集め方や読み方が分からない
- 金融機関や相続登記など、複数の手続を同時に進めたい
- 一覧図の作成に不安がある
当事務所では、戸籍の収集、法定相続情報一覧図の作成・申出、相続登記の申請について、ご相談・ご依頼をお受けしています。

TEL:06-7777-3812
営業時間:9:00〜19:00【全国対応】
定休日 :土日祝も相談できます。
お電話いただければ、時間外や土日祝日も含め、柔軟にご相談に応じております。お気軽にお問い合わせください。