コラム

登記簿で共有持分を確認する方法 持分の見方と、持分の割合が間違っているときの更正登記

※ この記事は、登記事項証明書(登記簿)での共有持分の確認方法に関する一般的な解説です。この記事は令和8年9月時点の法令・制度に基づいています。個別の事情により結論が異なることがありますので、具体的な判断は専門家にご相談ください。

1 共有持分は登記簿の「甲区」で確認します

不動産の登記事項証明書(登記簿)は、「表題部」「権利部(甲区)」「権利部(乙区)」に分かれています。所有者と持分が記載されているのは甲区(所有権に関する事項)です。共有の場合は、権利者その他の事項の欄に、次のように記載されます。

共有者 大阪市〇〇区〇〇一丁目1番1号 持分2分の1 A
    大阪市〇〇区〇〇一丁目1番1号 2分の1 B

登記事項証明書は、どなたでも法務局で取得できるほか、オンラインで請求して郵送で受け取ることもできます。

2 持分を読むときのポイント

2-1 最新の登記だけでなく、履歴全体を見る

甲区には、所有権の移転の履歴が順番に記載されます。共有持分の一部だけが移転している場合は、「A持分全部移転」「B持分一部移転」のように記載され、現在の持分は複数の登記を組み合わせて読み取る必要があります。下線が引かれている事項は、抹消されたり変更されたりした事項です。

2-2 持分の合計が1になるか確認する

現在の共有者全員の持分を合計すると、1(全体)になるはずです。相続や持分移転が重なっていると計算が複雑になるため、分数を通分して確認します。合計が1にならない場合は、読み取り誤りか、登記の内容に問題がある可能性があります。

2-3 土地と建物で持分が違うことがある

土地と建物は別々の不動産として登記されるため、持分が異なっていることがあります。また、マンションなどでは、敷地権として建物の登記簿に土地の持分が記載されていることがあります。共有の状況は、不動産ごとに確認する必要があります。

2-4 共有者の住所が古いままのことがある

登記簿の住所は、共有者が引っ越しても自動的には変わりません。令和8年4月1日から、所有権の登記名義人の住所・氏名の変更登記が義務化されています(変更日から2年以内。施行日前の変更は令和10年3月31日まで)。売却や相続の際には、住所のつながりを証明する書類が必要になります。

3 持分の割合が間違っている場合

3-1 よくある原因

  • 夫婦で購入した際、実際の資金の負担割合と異なる持分で登記した
  • 相続登記で、法定相続分や遺産分割の内容と異なる持分を記載した
  • 申請書の記載ミス

3-2 更正登記で直す

登記の当初から持分の記載が誤っていた場合は、更正登記によって正しい持分に直すことができます。更正登記は、原則として、持分が増える人(登記権利者)と減る人(登記義務者)が共同で申請します。登録免許税は、不動産1個につき1,000円です。

ただし、更正登記ができるのは、登記の時点から内容が誤っていた場合です。登記の後に持分を移転する合意をした場合は、更正登記ではなく、売買や贈与などを原因とする持分移転の登記になり、税金の扱いも異なります。

3-3 資金負担と持分が違う場合の税金

夫婦などで不動産を購入する際、実際に負担した資金の割合と異なる持分で登記すると、負担額を超える持分を取得した人に贈与税がかかることがあります。誤りに気付いた場合は、早めに税理士や税務署に相談したうえで、登記の対応を検討してください。

4 持分を確認すべき場面

  • 相続が起きたとき:亡くなった方が単独所有か、共有持分だけを持っていたか
  • 売却するとき:共有者全員が売主になる必要があるため、全員の現在の住所・氏名を確認
  • 共有者が亡くなったとき:その持分を誰が相続するか
  • 固定資産税の負担を分けるとき:持分に応じた負担額の確認

亡くなった方がどの不動産を持っていたか分からない場合は、名寄帳や、令和8年2月2日から始まった所有不動産記録証明制度を利用して調べる方法もあります。

5 司法書士の役割

司法書士は、登記事項証明書の読み取りと権利関係の整理、持分の計算、更正登記・持分移転登記・住所変更登記・相続登記の申請についてご相談・ご依頼をお受けできます。

6 よくある質問

Q. 登記簿の持分と、固定資産税の通知の内容が違う気がします。

A. 固定資産税の納税通知書は、共有の場合、代表者あてに送られるのが一般的で、持分ごとの内訳が記載されていないことがあります。持分は登記簿で確認してください。

Q. 持分の更正登記に、相手の協力が得られない場合は?

A. 共同申請が原則のため、協力が得られない場合は訴訟などで解決を図ることになります。この場合は、弁護士へのご相談をおすすめします。

7 まとめ・ご相談の目安

共有持分は登記簿の甲区で確認できますが、移転の履歴が重なっていると、現在の持分を正確に読み取るのが難しいことがあります。持分が誤っている場合は、更正登記で直せる場合があります。次のような場合は、ご相談をご検討ください。

  • 登記簿を見ても、誰がどれだけの持分を持っているか分からない
  • 登記された持分が、実際と違っている
  • 相続や売却の前に、権利関係を整理しておきたい

関連記事

お電話でのお問い合わせ

お電話でのお問合せはこちら
TEL:06-7777-3812
営業時間:9:00〜19:00【全国対応】
定休日 :土日祝も相談できます。
お電話いただければ、時間外や土日祝日も含め、柔軟にご相談に応じております。お気軽にお問い合わせください。

関連記事

TOP