コラム

相続とは?相続人の範囲・順位と手続きの流れ

※ この記事は、相続の基本(相続人の範囲・順位、財産、手続きの流れ)に関する一般的な解説です。この記事は令和8年10月時点の法令・制度に基づいています。個別の事情により結論が異なることがありますので、具体的な判断は専門家にご相談ください。

家族が亡くなると、葬儀の準備と並行して、財産や借金をどう引き継ぐかを考える必要があります。この記事では、相続の基本となる「誰が」「何を」「どのように」引き継ぐかを、民法の規定に沿って解説します。

1 結論:相続は死亡と同時に始まり、相続人は法律で決まっています

相続は、人の死亡によって開始します(民法882条)。相続人は、亡くなった人(被相続人)の財産に属した一切の権利義務を引き継ぎます(民法896条)。預貯金や不動産だけでなく、借金も引き継ぐ対象です。誰が相続人になるかは民法で決まっており、遺言がなければ、相続人全員で遺産の分け方を話し合います。

2 相続人の範囲と順位

配偶者は常に相続人になります(民法890条)。配偶者と一緒に相続人になる人は、次の順位で決まります(民法887条・889条)。

順位 相続人 配偶者がいる場合の法定相続分
第1順位 子(子が先に亡くなっていれば孫などが代襲相続) 配偶者2分の1、子2分の1
第2順位 直系尊属(父母、父母がいなければ祖父母) 配偶者3分の2、直系尊属3分の1
第3順位 兄弟姉妹(先に亡くなっていればその子=甥・姪まで代襲相続) 配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1

先の順位の人が一人でもいれば、後の順位の人は相続人になりません。同じ順位の人が複数いれば、その人数で均等に分けます。誰が相続人かは戸籍で確認します(相続人調査の方法)。

3 引き継ぐ財産・引き継がない財産

  • 引き継ぐもの:預貯金、不動産、株式、自動車、貸したお金など(プラスの財産)、借金、未払いの税金・医療費など(マイナスの財産)
  • 原則として引き継がないもの:本人だけに帰属する権利(年金の受給権など)、受取人が指定された生命保険金(受取人固有の財産)、お墓・仏壇などの祭祀財産(祭祀の承継者が引き継ぎます)

生命保険金の扱いは生命保険金は相続財産になる?で解説しています。

4 相続のしかたは3つ

  • 単純承認:財産も借金もすべて引き継ぐ
  • 相続放棄:財産も借金も一切引き継がない(原則として相続を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述。相続放棄の手続きの流れ)
  • 限定承認:引き継いだ財産の範囲で借金を払う(相続人全員で申述。限定承認とは)

5 遺産の分け方

遺言があれば、原則として遺言の内容に従います。遺言がなければ、相続人全員で遺産分割協議をし、合意した内容を遺産分割協議書にまとめます(遺産分割協議書の書き方)。話合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停・審判で決めることになります。

6 手続きの流れ

  1. 死亡届の提出(死亡を知った日から7日以内)
  2. 遺言書の有無の確認
  3. 戸籍を集めて相続人を確定する
  4. 財産と借金を調べる
  5. 相続放棄・限定承認をするか判断する(3か月以内)
  6. 遺産分割協議をして協議書を作る
  7. 預貯金の解約・名義変更、不動産の相続登記(取得を知った日から3年以内)
  8. 相続税の申告・納税(必要な場合、死亡を知った日の翌日から10か月以内)

期限の一覧は相続手続きの期限一覧にまとめています。

7 よくある質問

Q. 相続税は誰でもかかりますか?

A. 遺産の総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下であれば、相続税はかかりません。申告や税額の計算は税理士の業務のため、必要な場合は税理士にご相談ください。

Q. 相続の手続きは誰に頼めばよいですか?

A. 不動産の相続登記や戸籍の収集は司法書士、相続人同士の争いの代理は弁護士、相続税の申告は税理士が担当します(相続手続きで司法書士ができること・できないこと)。

8 まとめ・ご相談の目安

相続では、まず遺言の有無と相続人を確認し、財産と借金の全体を把握することが出発点です。借金が多いかもしれない場合は3か月の期限に注意し、不動産がある場合は相続登記の期限も意識して進めましょう。

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